名刺の向きには、縦と横の両方があります。昭和や平成の初期の頃までは縦型が主流でしたが、近年では圧倒的に横型の名刺が多くなっています。
そこで今回は、名刺の向きの変化について考察し、縦型と横型のそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。
1.名刺の向きの変化
元々日本語が縦書きであるため、昭和や平成の初期の頃までは、横型よりも縦型の名刺が主流でした。
記載する内容も「会社名」、「部署名」、「氏名」、「役職」、「住所」、「電話番号」でしたので縦型でも必要な情報を過不足なく記載できていました。
平成3年(1995年)にWebブラウザ「Internet Explorer」を標準搭載した Windows95が発売されたり、インターネットの利用料金が低下したりしたことによって、日本でもインターネットが急速に普及していきました。
インターネットの普及に合わせて、多くの企業が自社のホームページを公開したり、Eメールを使用したりするようになりました。
このようなインターネットが普及したことによって、名刺にEメールアドレスやホームページのURLのような長いアルファベット表記を記載することが増えました。
また、国際化の進展によって外資系企業との取引の機会も増加しており、表面は日本語、裏面は英語という名刺も増えています。
縦型で、アルファベットを縦書きしてしまうと非常に見づらくなります。また、横書きした場合はアルファベット1行で表記しきれなかったり、1行で表記したりすると、文字が非常に小さくなってしまいます。
これらの要因が重なって、名刺の主流は縦型から横型に変化したと考察されます。
2.縦型名刺のメリット・デメリット
縦型名刺のメリットには、以下のようなものがあります。
■メリット
・情報が少ない場合は見栄えがよい
・横型よりも利用者が少なく、目立つので印象に残りやすい
・名刺交換の際に相手に渡しやすく、受取やすい
社長や役員などの重要な役職についている場合は、縦型の名刺を使用している傾向にあります。ホームページやEメールアドレスの情報などを記載しない場合は、特別感も出るので縦型を使用していると考察されます。
一方、縦型名刺のデメリットには、以下のようなものがあります。
■デメリット
・横型にくらべて情報量が少ない
・横型にくらべてレイアウトの自由度が低い
・EメールアドレスやホームページのURLのような長いアルファベット表記がしにくい(1行で収めようとすると文字が小さくなる)
横型に比べると情報量が少なく、レイアウトの自由度も低いため、多くの情報量を記載したり、レイアウトで特徴を出したりするような場合には不向きです。
ただし、表面を縦型として使用して「会社名」、「部署名」、「氏名」、「役職」などの主要な内容を記載し、裏面にEメールアドレスやホームページのURLのような長いアルファベットや住所などの情報を記載することで縦型の名刺の情報量不足を補い、両方のメリットを享受することが可能です。
3.横型名刺のメリット・デメリット
横型名刺のメリットには、以下のようなものがあります。
■メリット
・縦型よりも情報量が多い
・縦型よりもレイアウトの自由度が高い
・EメールアドレスやホームページのURLのような長いアルファベット表記が1行で無理なく記載できる
■デメリット
・利用者が多いため、デザインに特徴が無いと印象に残らない